茶は栽培の段階で、葉中で光の影響を受けて旨味成分であるテアニンが渋味成分であるカテキンへ変化します。ですから遮光下のもと茶を生育した場合、その変化を抑制できるため、渋味が少なく旨味の多いお茶を作ることができます。そこで煎茶の香味の特徴を失わない範囲で品質を向上させることを目的とし、被覆栽培が古くから行われてきました。最近では被覆資材として化学繊維が多く使われていますが、従来は、菰(こも:イネ科の大形多年草であるマコモや藁で織った筵)や葦簾(よしず)が使用されていました。その菰を茶園に掛ける栽培方法から約30年前、「こもかけ」と命名しました。
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